明治時代に文明開化を迎えて以降、日本はアメリカやヨーロッパの文化を積極的に取り入れてきました。その影響は食事やファッション、住宅などに見られます。文明開化以前の日本と比較すれば、いかに日本の文化が海外の影響を受け、大きく変化しているかがよく分かります。
文化が変化し、価値観も多様化した日本ですが、そんな中でも昔から日本の地にある自然や建造物は、日本人の誰にとっても変わらず美しいものとして評価されています。例えば、富士山は日本人ならば知らない人がいない日本のシンボルです。各地に点在する寺や神社も、昔から変わらず日本を象徴する歴史的建造物です。
このように、日本を象徴するものは国内に数多くあります。外国人の中には、そんな日本ならではの建造物や景色を一目見ようと旅行を企画する方も沢山います。そんな外国人に日本の文化や伝統を紹介する仕事を全国通訳案内士といいます。「通訳」の名の通り、日本語ではない言語で外国の方に観光地を案内します。
日本の文化や伝統を好み、誇る方の中には、全国通訳案内士の仕事に興味を持っている方もいるのではないでしょうか?以下では、全国通訳案内士について仕事内容や就職方法、必要スキルを解説します。
<仕事内容>
全国通訳案内士の主な仕事は、訪日外国人に対して観光地を案内するサービスを提供することです。観光地の魅力はもちろん、歴史や文化的背景についても解説し、外国人が観光を楽しめるように力を尽くします。その際は日本語ではなく、多くの国の公用語である英語を用いるケースがほとんどです。ただし、観光地の案内のみが全国通訳案内士の仕事ではありません。旅行スケジュールの管理や宿泊先の確認、荷物管理など、外国人がスムーズに観光をするためのサポート業務も担います。
<就職方法>
外国人に対する有償の観光案内サービスは、資格を持たなくても提供することが可能です。しかし、全国通訳案内士を名乗ることができるのは、国家試験に合格して資格を所有する方のみです。国家試験の合格率は毎年10%というデータがあることから、全国通訳案内士を名乗り、仕事をすることがいかに難しいかが分かります。だからこそスキルを活かすことができ、やりがいを感じられるような充実した仕事と言えるでしょう。
<必要スキル>
外国人に対して観光案内をするという仕事柄、英語通訳に関する高いスキルは必須です。全国通訳案内士の国家試験に受験資格はありませんが、合格を目指すならば早稲田外語専門学校(https://www.waseda-flc.ac.jp/course-interpretation_translation.html)のような専門学校で、通訳のスキルをしっかりと学ぶことが推奨されます。
英語通訳のスキルに加えて、日本の歴史や地理、文化、産業など、日本に関する幅広い知識も身に着けている必要があります。さらに、言語を介して日本の魅力を伝える仕事であるため、コミュニケーションスキルや人柄も求められます。トラブルが発生した時に対処する能力も欠かせません。
全国通訳案内士は、日本を訪れた外国人が、日本という国に関心を持ってくれるか、日本という国を好きになってくれるかを左右する重要な役割です。英語スキルを活かした仕事をしたいという方の中でも、特に日本を愛している方に適している仕事と言えます。